新型コロナ【パリ郊外 外出制限せいかつレポ】
2. l'école à la maison(ホームスクール開始)
3月6日(金)
特に生活に対して制限もなく、通勤、登校なども特に変化なし。
パリのメトロでは「新型コロナの感染者が出始めています。手洗い をしっかりして下さい」と自動アナウンスが流れ始める。
フランスでは、日本のように「外から帰ったら手洗い、うがい」 が一般的でないため、改めて手洗いを意識する人が増える。
テレビでも子ども向けにも大人向けにも「手洗い」「 咳やクシャミはひじを折った所で」と促し始める。
大人同士も、挨拶のビズや握手を控える人が増えてきた。
ビジネスシーンでは握手は必須だが、「今は、ね…」 と苦笑しつつ控える人が増えている。
女性同士は、投げキッスなどをビズの代わりに交わす人を見かけ、 お互いに気を付けている感じがある。
この頃から日本からパリへの観光、出張等激減。
この日、 羽田空港は利用者よりもスタッフ数の方が多いような状態だった模 様。
ファーマシー(薬局)で消毒ジェルの購入が難しくなる。
売り切れ続出。
マスクはもともと一般的でなかったので一般用にはストックはなく 、
医療従事者のためのマスクも不足し始める。
同日、資格を持っている各薬局も、 調合して殺菌ジェルを販売して良い許可が国から公に出る。パリ周辺での感染者が報道され始めてから約10日。
価格は国が定めたので、法外な値段で販売する所は出ない。(こういう決定と実行は早い)
3月13日(金)
学校、しばらく休校決定。
金曜日のこの日を最後に、保育・幼稚園、小中高校、大学は、 しばらく登校をしないようにするという教育委員会及び教育省から お知らせがある。
フランスの学年末は6月なので(9月が日本の4月に当たる)、 まだまだ授業は普通に行われている時期。
授業の続きはどうなるのかと、子ども達も親達も不安。
下校時、 次女の担任の先生からEメールアドレスを先生に渡していない人は メール下さいと連絡が来る。
夫婦共働き家庭が多いので、ホームスクール期間中、 両親のどちらかが家に居られるように、片親分の特別欠勤扱い(有給)にするという発表も同時にある。
(フランスは共働き家庭がほとんど。 水曜日は小学校までは休みなので週4勤務という形もある)
急遽仕事の都合をつけつつ、「お互い様」 の精神で割とフレキシブルに欠勤することが可能な会社が多い。
個人事業やテレワークが可能な会社の人は休まず、 子どもと一緒に自宅でテレワークをする人も出てくる。
同時に各習い事もお休み。
祖父母の家で預かってもらうのは菌を持ち込むリスクが高いという 話もテレビなどでも盛んに話されている。
医療従事者やどうしても親が見れない家のために、 保育園や学童などは市が用意していたが
かなり限られた人数。
たいていの子どもは自宅でのホームスクールで、 親のどちらかが休みを取るかテレワークの形をとっている。
3月15日(日)
市長選の第一回投票日
学校がお休みになるのに投票はあるということで、 反対の意見もちらほら。
急遽投票所になっている市役所では、 1m間隔の線をつけたり投票デスク( もともとカーテンで仕切られている)を隣と距離を持たせたりと工夫をされていた模様。
(外国人国籍なので私は選挙権なし。 市長選はEU圏の人はフランス人でなくても投票可)
3月16日(月)
ホームスクール開始。
小学生と中学生の娘達に古い方のパソコンと、タブレットを必要な時に使用できるように準備した。
突然のホームスクールへの移行にも関わらず、かなりの時間を費やして下さっただろうと思われる内容に感謝。
小学生の方はプログラムのアカウント作りや、添付ファイルの開き方など子どもに教えたり、自分が行ったりする必要があるので
親は、テレワーク、家族分のお昼ご飯の用意、子どものホームスクールの手伝いでかなり忙しい。
(※ 小中学生の娘達のホームスクールの内容の詳細は下記に別途記載)
この日、夜8時になったら大統領から何らかの発表があると各メディアで告知。
既にイタリアがロックダウンに入っていたので、いよいよフランスも!?と噂が広がる。
(何か重大発表がある場合、TVで大統領が国民に向け、カメラ目線で話があります)
子どものホームスクールに合わせて既にリモートワークに切り替えていた家庭もあったけれど、どのぐらい厳しいロックダウンになるかわからなかったため、仕事を早退をする人も続出。(この日のうちに本格的にリモートで仕事出来るように準備をした企業も多い)
急遽、我が家も主人がオフィスからパソコンや書類など当面必要なものを自宅に持ち込みホームオフィスのスペースを作る。
食料買い出しが困難になるかも!という説もあっという間に広がりスーパーに走る人も多い。
夕方、最寄りスーパーの食品棚が空になるという事態に!
我が家の最寄りスーパーMonoprix モノプリの卵棚とパスタ棚。
スーパーに走ってくれた夫撮影。(大統領の発表2時間前でこの状態)
スーパーに走ってくれた夫撮影。(大統領の発表2時間前でこの状態)
(※3月のホームスクールの内容)
小学3年生(日本の2年生終了月)ニナのホームスクール:
担任の先生から前夜にその曜日の全教科分の課題などがEメールで送られてくる。
PDFで送られてくるプリント、先生の声が録音してある単語書き取り練習の音声ファイル(これはとても子どもが喜んだ)、
国や教育員会が用意しているシェアサイトのアカウントを作る方法の説明、など。
次女のクラスは、ホームルームの時間の代わりに、
目を閉じて深呼吸をして音楽を聴きながら気持ちを落ち着けるという約10分のオンラインプログラムから毎日スタート。
この異例な環境の中でも子ども達が落ち着けるようにとの配慮は嬉しい。
曜日によって、体育は家で出来るダンスや体操のリンクが送られてきて動画を見ながら行なうものだったり、
音楽の授業はクラシックを聴く日があったり、グラフィックと音楽が合わさったものを鑑賞したり様々。
5時間授業分、全教科。
お昼ご飯を挟み、実際に終わったのが学校が終わる時間に近い時間だった。(午後4時頃終了)
水曜日は小学校はお休みなので(習い事をしている子が多い)、オンライン授業もお休み。
夜のうちにその日の課題の回答が送られてきて、翌朝、前日の答え合わせをする。
中学2年生(日本の6年生卒業月)エマのホームスクール:
フランスは小学校が5年間、中学が4年間なので、学年の差が大きいが現在12歳。
もともと県から与えられている中学生とその過程が使うアカウントが存在する。(*1)
そのアカウントに毎日アクセスすると、各教科の先生からそれぞれ課題が出ている。
クラスメイトと一緒に行うグループワークは、友達とビデオ電話で行う。
英語以外の言語の授業もあり(娘はスペイン語とラテン語)、もともとオンライン翻訳や
ネット検索を使うように言われている教科もある。
登校している時と同じように午後5時頃まで勉強をしている。
毎日夕方になると、自分の行った課題を先生に返信し、2~3日後に戻ってくるという繰り返し。
(*1)
市や県によって多少異なっても、ほぼフランス全土の中高生が似たものを使用している模様。
そのアカウントにログインすると、出欠表、テスト結果(各教科内容ごとにテストがあることが多い。普段の小テストもそのまま成績に反映)
宿題の内容等の確認が出来る。生徒アカウントと以外に両親用アカウントは、生徒が見ることが内容以外に給食費や授業料(我が家は私立のため)も見ることが出来る。